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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第55章 その手をもう一度


(雷が信長様を狙って落ちてきたわけを知りたい…)


ワームホールに詳しい佐助くんが居ないのがもどかしい。


「こちらのお召し物は明日以降、お直しして綺麗にしますね」


ふぅ、と小さく息を吐いて不安を飛ばす。


(そろそろ寝よう)


元気そうに見えるけど、信長様も色々あって疲れているだろうし。


信長「待て」


畳んだ衣類を持ち、立ち上がろうとしたところを引き留められた。
何故か信長様は不満そうな顔をしている。


(どうしたんだろう、何か粗相をしたかな?)


「はい、なんでしょうか」

信長「それはなんだ?」


『それ』と目線で言われて見ると、床の上に忘れられたもう一つの贈り物があった。


「申し訳ありません!これも信長様への贈り物です」


着物にばかり意識がいって、すっかり忘れていた。
可愛らしい柄の和紙が張られた箱を差し出す。

信長様は中身を粗方予想しているのか、嬉しそうに目を細めた。

待ちきれないと言わんばかりに太く長い指が蓋を持ち上げ、中の白い紙をどけると……金平糖がぎっしりと詰まっている。


信長「こっちは着物と違い随分と色鮮やかだな」


そう言って青色の金平糖を珍しそうにつまんで口に放った。


「あ、それは確かサイダー味です。そして紫色は巨峰味で、緑が……」

信長「さいだー?よくわからんが、悪くない。
 貴様のいた時代は金平糖に様々な味付けをしているのだな。面白い」


信長様は説明した順に巨峰味、メロン味、イチゴ味と口にしていく。

美味しそうに食べてくださるのは嬉しいけど……


「はい、今夜はこれでお終いです!寝る前に食べるとお身体に触りますよ?」


手が伸びてくる前に素早く箱に蓋をして体の後ろに隠す。

信長様の表情がみるみる不機嫌になる。


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