第53章 天命
(第三者目線)
それからも光秀は死線をさまよい、数日後ようやく峠を越した。
危うい状態だったが、舞が佐助に託した抗生物質が功を奏した。
謙信「お前の天命はまだ尽きていないようだな」
謙信はまるで『しぶとい』と言わんばかりの顔つきだったが、光秀の世話に余念はなかった。
謙信「個人的にお前のような小狡い人間は好かん。
だが舞を救ってくれた恩がある。
今は助けるが、治ったらどこへでも行くが良い」
光秀「…かたじけない」
光秀は何を考えているのかわからない顔で、必要以上に言葉を発しなかった。