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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第50章 絶対絶命


「現代の服も似合っていましたけど、皆さんには着物がしっくりきますね」


謙信様と信玄様がそれぞれ緩く頷いた。


謙信「着替えや手入れの手間は断然こちらの服だが、着物の方が落ち着く。
 それにやっと刀をさせる」


謙信様は嬉しそうに言って、ずっと出番がなかった愛刀の重みを噛みしめている。

1年前は痩せてブカブカしていた着物を、今はきっちりと着こなして立派な佇まいだ。


(着物姿の謙信様、素敵…)


外套の白いモフモフの毛を見ていると、長屋で謙信様と佐助君と過ごした日々を思い出した。

信玄様は謙信様より大きな刀を持ち、病人だったとは思えない堂々たる立ち姿だ。

相変わらず胸元が少し覗く着こなし方で、ドキドキしてしまう。


信玄「姫、君だって着物姿が板についているぞ?
 現代の装いも良かったがその桃色の着物、似合ってるよ。
 不思議だな…君はこちらの人間なのに着物の方が似合ってるなんて」

「そ、そんなに褒めないでください。恥ずかしいです…わっ」


謙信様が咳払いして私たちの間に割り込んできたので、信玄様と目を合わせて吹き出した。

佐助君は忍び姿ではなく着物姿で、龍輝があからさまにがっかりしている。


龍輝「なんで忍者じゃないの?」

佐助「無難に着物にしてみたんだ。大丈夫、いざとなったら早着替えで忍者になれる」

龍輝「わぁ、楽しみ」


結鈴と龍輝は甚平姿だ。
何が起きるかわからないので、動きやすさを考慮した。
戦国時代に行けば浮いてしまうだろうけど、現代の服よりはマシだろう。


「荷物全部持ちましたか?鍵をかけますね」

龍輝「みんな荷物いっぱいだね」

結鈴「ママ、大丈夫?リュック背負って龍輝を抱っこするんでしょ?」

「大丈夫、そこは加減してあるから」


1人だった頃は結鈴をおんぶして、ぐずった龍輝を抱き上げ、スーパーで買い物していた時もあった。

それに比べればリュックの重さは大したことない。


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