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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第50章 絶対絶命



タイムスリップの時間が近づいたので、私を含めた大人は現代の服を脱ぎ、着物に着替えた。

夜は更け、23時くらいだ。

着物に袖を通し足袋を履くと、趾間にあたる感覚がくすぐったかった。

皆も久しぶりに着物姿になり、ずっと現代の服だったせいか、とても新鮮に映った。


龍輝「わぁ、パパ達かっこいいね!おさむらいさんだねぇ」

結鈴「パパ達は本当に『昔の人』なんだね。刀、初めてみた!」


夜中に起こされて寝ぼけていた子供達も目が覚めたようだ。
興奮気味に謙信様達の間をクルクル駆け回る。


「結鈴、髪を結んであげるからおいで」

結鈴「わぁ、今日はゴムじゃなく紐なんだね。この紐綺麗、結鈴にくれるの?」

「駄目。それはママのだから貸すだけだよ。どの紐がいい?」


戦国時代で使っていた髪を結う紐を何本か出して結鈴に見せた。


結鈴「ママのケチー。結鈴はね、これにする!」

「…これね」


結鈴が選んだ織紐を手に取り、手近な所に置く。

この美しい紐を贈ってもらった時の……戸惑いと嬉しさを思い出し、頬が緩んだ。

サイドの髪を編みこみんだハーフアップにしてあげた。
細く真っ直ぐな髪は紐だけだとスルリと逃げてしまうので、細いゴムでまとめ、その上から織紐を結んであげた。


「結鈴の髪はサラサラだね。はい、完成。パパ達のところに行ってもいいよ」


結鈴が駆けていくと、信玄様が気付き、褒めた。


信玄「結鈴、可愛くなったな。もっと見せてくれ」

結鈴「うふふー」

謙信「……」


謙信様が信玄様を胡散臭そうな目で見ている。


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