第47章 現代を楽しもう! ❀デート編❀
「ふふっ、謙信様はあの宿で求婚してくださったじゃありませんか。
これで2回目のプロポーズですよ?」
謙信「あれでは褥での睦言だと思われても仕方ない」
「そ、そんなことないです。あの時、本当に嬉しかったんですから!
絶対、一生忘れませんよ」
謙信様の腕の中で泣きながら笑った。
そして思い出したワンフレーズを口ずさんだ。
~~♪
色づく秋は あなた色に染まるでしょう
謙信「っ」
謙信様の身体がピクリと動き、腕の力が緩んだ。
見上げると切ない顔をした謙信様と目が合った。
「私…秋が一番好きです。謙信様と一緒に飲んで、お寺で語らった時も紅葉が美しい秋でした」
謙信「俺はお前と離れていた頃諦めていた。
秋には……」
「……?」
何か言おうとして謙信様は言葉を飲み込んだ。
表情が硬い。
少し待ったけどその続きは聞かせてもらえなかった。
(辛そうな顔…。笑ってほしいな)
『離れていた頃』という言葉で過去を思い出したんだろうと予想はついた。
いつも何か伝えようとするたびに昔のことを思い出させてしまう。
(駄目だなぁ…)
でも幸せなんだよって、あなたに伝えたい。