第47章 現代を楽しもう! ❀デート編❀
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帰る前に寄って欲しい所があると言われた場所は、この間まで謙信様達が通っていた英語教室の近く。
駅近の繁華街だった。
駐車場に車を止めると行き先を知らされずに手を引かれた。
(どこに連れていってくださるのかな)
行き先がどこであろうと謙信様とこうして歩けるだけで幸せで、相当頭がまいっている自覚はあった。
謙信「ここだ」
「え、ここですか?」
謙信様が躊躇いもなく入ったお店はジュエリーショップだった。
ブランド名を見て気が付いた。
(結婚指輪の…)
結婚式の後に渡された指輪ケースについていたブランドと一緒だ。
謙信様は歩み寄ってきた店員さんに二言三言何か告げると、案内された椅子に座った。
私も一緒に腰かけたけど、キラキラの店内に気後れして居心地が悪い。
目の前のショーケースには普段使いできないような綺麗な指輪やネックレスがディスプレイされている。
(全部が眩しい……)
「あの、謙信様。ここで何を?」
まさかこの店で何か買うつもりなのだろうか…。
店員「お待たせいたしました。こちらのお品物ですね」
(もしかしてもうすでに買ってたりするっ!?)
店員さんが1つの指輪を持ってきた。
プラチナの指輪には一粒のダイヤがはめ込まれ、その石に寄り添うように二色の小さな宝石が………
「っ」
謙信「間違いない。舞嵌めてみてくれないか」
「こ、これって」
謙信「詳しいことはこのあと説明する。サイズが合うか確かめてくれ」
「は、はい」
謙信様が指輪をとり、震える私の手をとってくれる。
すでに結婚指輪をしている左手薬指に、眩い輝きを放つ指輪がピタリとはまった。