第47章 現代を楽しもう! ❀デート編❀
謙信「清らかなお前の中にも俺を自分のものにしたいという欲はあろう?
これはありがたく貰っておく。
離れていようとも共にいられるように。
俺は舞のものだと香りでわかるだろう?」
店内に巡らせていた視線をピタリと私に合わせてきた。
捉えた獲物を嬲るような視線に思考が止まった。
「べ、別に、そ、そんな深い意味はないんですってば!
もう、謙信様ったら、そのままどこも見ないで待っていてください。
すみません!この二つ、お会計お願いします!!」
めちゃくちゃ照れながら慌ただしくお会計を済ませる。
斜め後ろに立った謙信様が静かに囁く。
謙信「どこも見るなというのは無理だな。目の前にお前が居るのだから」
(み、耳っ!耳に吐息がっ!)
身体がカッと熱くなる。
店員「ありがとうございました。またおこしください」
店員さんが紙袋に入った商品を差し出してくれた。
(い、今の見られてないよね)
囁かれて顔を赤くしているなんてバカップルみたいなところを店員さんに見られていないか心配だ。
紙袋を受け取りながら、今度は身体がさーっと熱を下げる。
「っ、早く出ましょう!あ、ありがとうございました」
謙信「こら、その靴を履いて走るな」
「だって謙信様が……!………!……!」
無駄に色気をふりまかないでください!と抗議しながら店を出た。
最後のショッピングは感傷にひたる暇もなく、無駄に甘く、慌ただしい終わり方となった。