第47章 現代を楽しもう! ❀デート編❀
謙信様は試香紙を鼻に近づけ、もう一度香りを確認している。
謙信「いい香りだ。お前が持っている俺のイメージがわかった。
だが本来、香は男が女に贈るものだが…」
「え、そうなんですか?」
謙信「自ら選んだ香を女が纏えば、まるごと手に入れた気分になる」
「そんな深い意味はありませんよ…?」
なんだか話が大ごとになってきたような…
謙信「お前の可愛らしい言い分の中にも、わずかに俺を独占したいという欲が垣間見える」
「そ、そんなことないです!」
謙信「本当か?プールの時も、こうして今も……」
謙信様が視線をひと巡りさせると、ため息をはく人や、顔を赤らめたお客さんが多数出た。
「っ、ゃ……」
(注目されているのに、どうしてわざと煽るようなことをするの?)
途端に胸がモヤモヤしてきて、醜い独占欲が沸き上がってきた。
(他の女の人…見ちゃ、嫌だ)
服の袖を掴んでやめて欲しいと訴える。
謙信様が美しい笑みを浮かべた。