第47章 現代を楽しもう! ❀デート編❀
――――
――
謙信「南蛮の食事はなかなかに奥深いものなのだな。酒と料理の合わせ方も勉強になった」
お店を出て車に乗り込むと謙信様小さく息を吐いた。
本を読んでテーブルマナーを知っていたようだったけど、いざ料理毎にナイフやフォークを取り替えるとなると戸惑っていた。
「謙信様はテーブルマナーもソツなくこなしていましたね。
もう少し困った顔が見られるかなと思ったのですが残念です」
メインディッシュの白身魚のポワレを優雅に口に運ぶ様は、王子様然(ぜん)としていた。
食べるのを忘れて見惚れてしまったくらいだ。
(何を食べていても上品で綺麗なんだよね、謙信様は)
謙信「お前は俺の困った顔を見て楽しいのか?」
呆れたように言われたけど……
「謙信様はとても頭が良くて感が鋭い方なので初めてのことでもすぐに対応してしまうじゃないですか。だから困った顔が貴重なんです。
好きな人の色んな顔が見たいと思うのは駄目ですか?」
謙信様は一瞬言葉に詰まると、フイっと顔をそらした。
謙信「…駄目とは言ってない」
「ふふっ」
少し照れた表情を見られて、大満足だ。