第47章 現代を楽しもう! ❀デート編❀
謙信様が正面に向き直ったのでほっとしていると、
こつん
(ん?)
肩がぶつかった。
何か用かと見たけど謙信様は映画を見ている。
肩同士くっついている場所が温かい。
(くっついてくれたの?謙信様が?)
このくらいの触れ合いなら自然なので誰にも見咎められないだろう。
(嬉しい)
握っていた手にキュッと力を込めた。
――――
――
謙信様は字幕なしでも映画を楽しめるようになっていて、私とは違うタイミングで感嘆の息を漏らし、楽しんでいた。
(英語はすっかり身に着けちゃったんだ、すごいな)
学校で何年も習ったのに身についていない自分とは大違いだ。
(それにしても…)
謙信様と映画が見られるなんて。
いかにもデートという感じがして嬉しくなる。
時々端正な横顔をチラリと見て、ずっと握られている手がくすぐったくて、幸せな時間だった。