第47章 現代を楽しもう! ❀デート編❀
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まずは定番と思い、モール内にある映画館で外国映画を見る事にした。
飲み物だけ購入し指定の席に座る。
「ここのドリンクホルダーに飲み物を置くんです」
謙信「紙のバケツを持っている者達が居るが、あれはなんだ?
上映時間が迫っているので、次々と観客が入ってくる。
謙信様が館内をぐるりと見遣って眉をひそめた。
「ポップコーンっていうトウモロコシのお菓子です」
謙信「菓子を食しながら鑑賞するものなのか?
しかもあのようにたくさん…」
信じられないものを見るように、二色の瞳が見開かれている。
「ふふ、定番です。さ、座りましょう」
開演を待つまでの間、しばし待っていると…
謙信「恋仲同士で来ている者が多いのだな」
「ええ、デートと言えばってやつです。映画が始まると真っ暗になるので……」
(手が繋げるし…なんて言えないっ)
説明が中途半端になったので謙信様が物問いたげな表情をしている。
「えっと、そのうちわかると思います」
(よ、よし、暗くなったら手を繋いでみよう。
できるかな、できるの私?)
手を繋ぐことに抵抗はないけど、暗闇に乗じて謙信様の手を探るなんてちょっぴり恥ずかしい。
(謙信様に不審に思われてがっちりガードされちゃったりして?)
まさかそんなことないかと悩む。
その時だった。
客1「俺達の席、ここだ」
真後ろの席にカップルが座った。
客2「ポップコーンは一緒に食べるから真ん中ね。あー、でも観ている間、手を繋いでいたいから、やっぱポップコーンはそっちね」
「…………えっと…」
(なんだろう…この下心がバレちゃった、みたいないたたまれなさはっ!)
頬に熱が集まる。