第47章 現代を楽しもう! ❀デート編❀
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数日後、私達は朝から……デートをしていた。
『この時代の恋仲の二人がどんな逢瀬をするのか知りたい』
そう言われて申し訳ないと思いながら、佐助君達に保育園のお迎え等々お願いして、午前中のうちに家を出てきた。
いつも子供達、信玄様、佐助君と一緒に行動していたから、ちょっとした買い物や散歩を除けば2人きりで出かけるのは初めてに近い。
(う、嬉しい。ちょっと…いや、もの凄く!)
昨夜から心がウキウキして仕方がなかった。
いつもよりお洒落な服を選び、足を綺麗に見せるために7センチヒールの靴を引っ張り出してきた。
時々仕事で気合を入れたい時に履くことはあったけど、デートのために…なんていう甘い理由で履くことになろうとは思いもしなかった。
戦国時代では逢瀬することもないまま離れてしまったし、こっちで再会してからは子供達を優先していたから、デートらしいデートはしていなかった。
「逢瀬をしたいと言っていただいてありがとうございます。
謙信様の願いと言われましたが、こうしてみると私の願いでもありました」
謙信「俺が逢瀬したかっただけだ。礼を言う必要はない。
今日の装いも綺麗だな。俺のために着飾ってくれたのか」
アレンジした髪や耳につけたフープ型イヤリングにそっと触れ、嬉しそうに目を細めてくれた。
その顔を見られただけで私も嬉しい。
車から降りる時にフラットな靴からハイヒールに履き替えた。
謙信様がヒールの高さに少し驚いている。
謙信「その靴は歩きにくくはないのか?」
「履きならしている靴なので、それほどでも。
でも南蛮の女性はよくこんな高いヒールを履いてデートするんですよ。何故かわかりますか?」
謙信「………?」
頭が良い謙信様だけど、このクイズには答えられなかった。
逞しい腕に手を添えて答えを教える。
「女性らしい美しさを魅せるためでもありますが、こうして、堂々と手を添えて歩けるでしょう?あちらの国では男性が女性をとても大事にしてくれますので、ふらついてもちゃんとパートナーの男性が助けてくれるんです。
……私が転びそうになったら支えてくださいね、謙信様?」
思いっきり甘えることになるけど、なんとなく…謙信様はそれを喜んでくれる気がして敢えてヒールを選んだ。