第47章 現代を楽しもう! ❀デート編❀
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謙信「随分物入りだな」
「備えあれば憂いなしですよ。
いつ、どこに降り立つかわかりませんから」
薬類の他にも少量パックの塩、砂糖、味噌、醤油などの調味料、保存が効いてすぐ食べられる食品類も買った。
謙信「それは良いが荷物を多くして動けなくならないよう加減しろよ?
お前の事だ。子供の荷物だ、弁当だと、まだまだ荷物が増えるのだろう?」
図星をさされ苦笑する。
「ふふ、その通りです。気をつけますね」
大人だけでなく子供達も居るから余計にアレコレ用意したくなる。
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車で帰宅中、謙信様に問われた。
謙信「結鈴と龍輝が喜びそうな場所には言ったが、舞自身が行きたいところ、やりたい事はないか?
まだもう少し日がある。お前の望みを叶えてやりたい」
「ふふ、お気持ちは嬉しいですが充分満足していますよ。
この一年で子供達の保育園の行事にも一通り参加できましたし、お誕生日、ハロウィン、クリスマス、お正月、バレンタインデーも…賑やかに過ごせました。
この間お墓参りも済ませましたし大満足です」
謙信様達がタイムスリップしてきてくれる前と後では生活がガラリと変わった1年だった。
毎日が賑やかで明るく、楽しかった。
(これ以上望むものなんてない)
でも気づいていなかっただけで私の中に『望むもの』はあった。
察しの良い謙信様はそれに気が付いてくれていて、誘ってくれた。
謙信「ならば俺の願いを叶えてくれるか?」
私の言葉を静かに聞いていた謙信様が、突然そう言ったのだった。