第46章 現代を楽しもう! ❀準備編❀
佐助「出立前に煙玉とかんしゃく玉を君に持たせる。何かあったら使って欲しい。
近くに居たなら必ず駆けつける。
離れていたとしても、俺が舞さんを想っていることを忘れないで。気持ちを奮い立たせて逃げ延びて欲しい」
真剣な表情で言われ、頷いた。
500年前のあの時代は遭遇する危険度の度合いが現代の比じゃない。
それを知っているからこそ私と佐助君はお互いを心配し、なんとか守りたいと願う。
「佐助君、あっちに行っても、ずっとずっと友達でいようね。
佐助君のことズットモだって思ってる。幸村にだって負けないんだから!」
友達とか親友とか、そういう枠を飛び越えて家族に近い存在で、凄く大事な人だ。
見つめると、佐助君が目を細めて見返してくる。
佐助「もちろんだ。謙信様と君の傍に居るよ。
ずっと…………友達として」
「ありがとう。佐助君」
強い眼差しで答えてくれた佐助君に片手を差し出し、握手した。
(皆が居れば怖くない。帰ろう、あの時代に……)
不安で揺らいでいた気持ちがようやくピタリと定まった。
(帰ろう、戦国時代に)