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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第46章 現代を楽しもう! ❀準備編❀


――――

その後はあちらに持ち帰るものリストお互い見せ合い、意見を交換して過ごした。

新たに必要な物、または不要なものがわかり、それを書き留めていく。


「それでね、この薬なんだけど佐助君が持っていてくれる?」


手渡したのは『内服薬』『〇×クリニック』と印字されている封筒だ。


佐助「この薬は?」


どうしようか迷った。こういう使い方はしてはいけないと思うし、危険性もある。
でも万が一の時の手段になるかもしれない。


「この薬は吹き出物が酷い時に処方された薬なの」


袋には『一日二回、朝夕食後 30日分』という印字がされている。


「佐助君達が来る少し前なんだけど、一人で子育てして仕事も抱えていたせいか身体のバランスを崩しちゃって、酷い肌荒れと吹き出物に悩まされたんだ。
 その時に処方されたのがこの薬なの」


佐助君が封筒の中に入っていた薬剤情報の用紙を出して目を通す。


佐助「抗生物質だね」


感染症や、何かしらの炎症を起こした時に効果を発する薬だ。
あちらで深手を負った時にこの薬があれば役立つかもしれない。


「うん。処方してくれた先生には悪いんだけど、長期間抗生物質を服用するのに抵抗があって飲まなかったの。
 本当はこういう使い方が良くないってわかってるんだけど、もしもの時、大事な人を救う手段になるかもしれないと思って。持っていてくれる?」


佐助君は難しい顔をしていたけど、受け取ってくれた。


佐助「知り合いに医学部の人間が居るから、出立までにこの薬のこと調べておくよ。
 30日分、全部俺が預かっていいの?」

「うん、実はもう一ケ月分あるから、それは私が持とうと思ってるの」

佐助「そうか。じゃあ、この薬の事をきちんと調べたら君にも知らせる」

「ありがとう。タイムスリップした先で何があるかわからないから、備えておこうと思ってさ」

佐助「そうだね。いきなり戦場の真っただ中に降り立ってしまう可能性もある。
 現に俺の一度目のタイムスリップはそうだった」

「この薬の出番がないことを祈るばかりだね。すんなりと戻れるといいな」


出来れば火事でも戦場でもない場所に降り立ちたい。

でも自由自在にできる能力じゃないから願望を抱いたところで無意味だ。

いたずらに不安を覚えるより対策を講じておこうと思った。

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