第46章 現代を楽しもう! ❀準備編❀
佐助「舞さんの能力は科学的には何も証明できなかったけど、君の『思考』が重要な働きを持っていると推察される。
戦国時代に帰りたいと思う舞さんの気持ちが重要になってくると思うんだ」
自分の力を信じ、強く願う。
でも未知の力を信じるというのは難しい気がした。
努力して培った力なら、その過程を糧に信じる事ができる。
でも私の力は無意識に備わっていたもので、さらに不明な点が多い。
「まだ力に関してはあまりピンときてないんだけど、でも謙信様達と戦国時代に帰りたいって言う気持ちは強いかな。
ありがとう、佐助君。まだ日があるから、もう少し気持ちを整理しておくね」
ひとつ不安が薄れ、もう一つの不安を明らかにする。
「それで子供達のこと、連れて行くしかないんだけど大丈夫かな」
あの時代に居ないはずの人間を連れて行く。
それを言えば私と佐助君もそうだけど。
あの時代には異物ともいえる存在の私達が、本当に戻っていいものか。
佐助「それは俺も少し迷うところだけど…。気をつけて生きていくしかないかなと。
それに龍輝くんと結鈴ちゃんはこの時代に居ても居なくても『本来いるはずのない存在』だから…手探りでやっていくしかない」
戦国時代と現代の人間が生み出した双子。
どういう影響があるかわからない。
佐助「君が謙信様と両想いになった時点で、この現在も、この先の未来も変わったはずなんだ。
現代で舞さんと出会い、一生をともにする人が居たはずだ。
おそらくその人は舞さんと違う人と一緒になって、子孫を残す。そのズレは脈々と続き、本来あるべき500年後を変えたと思う。
これは俺にもあてはまる話だ。
俺達は未来の500年後を知らないから、どんなふうに影響が出たのかピンとこないけど…」
「そうだよね。戦国時代で妊娠がわかった時、この時代を変えてしまうことを恐れたけど、もっと先の未来まで変えたっていうことに気付いてなかったな」