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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第46章 現代を楽しもう! ❀準備編❀


(姫目線)


「佐助君、ちょっといい?」


リビングの隣の仏間。その襖に向かって声をかけた。
この一年、佐助君はこの部屋で寝泊まりしている。

仏壇や遺影がある部屋に泊めるなんて…と最初の頃は思っていたけど、研究資料をやりとりするパソコンがリビングにあることや、玄関・勝手口に一番近い部屋という事もあり、セキュリティのためだとも言ってくれた。

信玄様と隣室ということもあり、通院中の頃も万が一に備えてくれていた。


佐助「どうぞ」


襖が開いて佐助君が出迎えてくれた。

何かの資料に目を通しているところだったようで畳にA4の白い用紙が散らばっていた。


「お邪魔してごめんね」


山梨旅行から帰ってきてすぐに、佐助君は観測データをもとにワームホールの発生確率を計算してくれた。

すると近々10%の確率で発生するとわかった。

私の力を加えれば100%近くまで確率はあがるだろうということで、その日を出立の日に決め、準備を進めてきた。


「あのね、ずっと気にかかっているんだけど…」

佐助「どうしたの?」

「歴史のことなんだけどさ、こうして私達が500年前に帰るって決めて、準備もしているのに…謙信様や信玄様は姿を消したままっていう歴史は変わってないでしょう?
 その…大丈夫かな。ワームホールがちゃんと開くか少し不安になっちゃって」


佐助君に協力して受けた検査でも、特段変わった数値は出なかった。

至って普通の私が、もう一度ワームホールを開き、500年前に行けるのだろうかと不安が拭えなかった。


佐助「歴史が変わるとしたら俺達がワームホールに飛び込んでからだと思う。
 だから心配しないで。今は帰るための準備に専念しよう」

「成功するかな。しかも今回は6人でしょう?」


謙信様の前では言えない不安が次から次へと出てくる。

決して謙信様を頼りにしていないとかそういうわけじゃない。ただ佐助君の答えは時にデータに基づいた、又は理論的な答えだったりもする。

今はその答えが聞きたかった。


佐助「ごめん。はっきりと大丈夫、とは言えない。
 でも前回のワームホールの時、君はこっちの時代に居たにも関わらず、俺達3人を戦国時代からこの時代まで導いてくれた。その力を信じよう」

「私の力…」


佐助君が力強く頷いてくれた。


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