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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第45章 現代を楽しもう! ❀姫の心配❀



一緒に行動することが多い信玄様なら、謙信様の電話の相手のことを知っているかもしれない。

聞いてみようと口を開きかけた時、背後から低い声が響いてドキリとした。


謙信「誰が鈍いだと?甘味の食いすぎで頭がおかしくなったか?」

「わわわ!謙信様、信玄様に失礼ですよ!」

謙信「失礼はどっちだ。俺が居ぬ間に陰口をたたき、舞を誘導しようとしていただろう?」

「誘導!?ただ相談に…」

謙信「相談なら俺にしろ」


なんとなく『電話の相手は誰ですか』と聞けずに『はい』とだけ答えた。

謙信様が他の女の人と会っている。そんな気がしたけど追求できなかった。

気になるけど、聞けない。

『浮気』という文字が頭に浮かんで消えないのに。


謙信様は確かに私を愛してくれている。


(でも待って…)


戦国時代の武将は奥さんがたくさん居るのが普通。
だったら器用に愛情を振り分けることができるのかもしれない。

私のことを愛してくれているけど、その他の人も同様に愛せたりするのかも…。
『浮気』という観念がないのかもしれない。


(いや、でも謙信様は私だけって言ってくださっていたし…)


グルグルと考えが回る。
信玄様には聞きづらくなってしまったし、謙信様には怖くて聞けない。


(少し心配だけど……謙信様のこと、信じよう。
 なんだか最近落ち着かないことばっかりだな)


謙信「………」


後にこの電話の相手の正体はわかるのだけど、私が謙信様の浮気を心配していたのと同時に、謙信様も私の浮気を疑っていたことなど、この時の私は思いもしなかった。


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