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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第44章 現代を楽しもう! ❀龍輝のパパは???❀



龍輝「ねえねえ、信玄様は武田信玄なんでしょう?
 この間テレビで見たんだけど、信玄様と何回も戦ったっていう『うえすぎけんしん』って強いの?」


信玄が空になった箱の土を落としながら笑いをこぼした。


信玄「ん?そりゃあな」

龍輝「へー、どんな人?」


謙信にそっくりの容貌で、そんな質問をしてきた。
信玄は内心で『まさか…』と思い、聞いてみた。


信玄「なぁ、龍輝。お前たちの部屋にある武将人形の中にパパの人形があるだろう?
 名前を知らないのか?」

龍輝「え?だってあれは『パパ』でしょ?
 ママがいつも『これはパパだよ。謙信様っていうの』って言ってたよ。
 そういえばパパって上杉謙信と同じ名前なんだね」

信玄「これはまさか、だな。パパの苗字を知らないのか」

龍輝「知ってるよ!フェンシングの試合で『三雲』って言われてたの聞いたもん」

信玄「それは偽の苗字だ。俺だって試合の時は武田ではなく三雲と名乗っていただろう?」

龍輝「信玄様は苗字が二つあるのかと思ってたから」


のほほーんとそう返す龍輝に信玄はおかしくなった。
幼いのだから物事をあまり深く考えないのは仕方ない。


信玄「その考えでいくと、お前のパパにも、もう一つ苗字があるんじゃないのか?」

龍輝「え、そうなの?信玄様だけ特別なのかと思ってた。あとで聞いてみる!
 それで上杉謙信は敵なのに信玄様に塩を送って助けたって本当?」

信玄「実際あったことだ。あの時は本当に助かったよ」


その時、静かに歩み寄ってくる気配に信玄の口の端が上がった。


何も気付いていない龍輝は小さい芋を探しているので視線は真下を向いている。


龍輝「へえ、上杉謙信って格好良いんだねぇ。
 テレビに出てた絵はあんまり格好良くなかったけど、本当にあんな感じなの?
 信玄様もテレビに出てた絵と全然違うよね」



信玄が堪らず吹き出した。


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