第44章 現代を楽しもう! ❀龍輝のパパは???❀
(第三者目線)
梅雨の雨がひとやみし、久しぶりに晴れ間が覗いたある日。
保育園から返ってきた龍輝と結鈴が目にしたのは大量の……
龍輝・結鈴「おいもだー」
揃えようとしなくても勝手に同じ言葉を同じタイミングで言ってしまう。
それを気にするふうでもなく、双子の二人は玄関前に置かれた箱いっぱいのジャガイモに目を輝かせた。
信玄「やあ、おかえり」
同じ箱を手に持った信玄が半袖シャツに作業用ズボン、長靴といった格好で歩いてきた。
「信玄様、もしかしてこれ…春に沢田さんのお手伝いした時の…?」
信玄「そうだ。もう収穫時期だっていうから収穫を手伝ったら分けてくれたんだ」
農家では春植えの野菜をそろそろ植えようかという時期、二軒隣に住む沢田家の主人が腰を痛めた。
それを知った舞が手伝いを申し出、謙信達も主人からやり方を教わりながら手伝いをしたことがあった。
龍輝「わあ、いっぱいあるねー」
結鈴「ポテトサラダ…」
「はいはい、あとでいっぱい作ってあげる」
結鈴「へへ、やったー」
沢田家所有の畑は広く、なかなか大変な作業だったが、この時代の農業に興味があった面々は真剣に作業に加わった。
特に信玄は苗を植えてからもちょくちょく畑に顔を出し、野菜作りのノウハウを学びながら作業を手伝っていた。
舞の家の庭にはいくつか野菜が植えられたプランターが置かれ、それは全て信玄が植えたモノだった。
『戦国時代ではなんの知識が役立つかわからない』と、時間があれば舞も一緒になって野菜の世話をしている。
信玄「カーポートの隅でこの芋を乾かしても構わないか?」
「はい、もちろんです」
龍輝「僕、手伝ってもいい?」
信玄「いいぞ」
結鈴「結鈴、どらとらざえもんの日だからおうちに入る!」
結鈴と舞は家に入り、龍輝が残った。
新聞紙を広げた上に収穫した芋を重ならないように並べていく。
信玄に小さい芋をはじくように言われて、龍輝は拾い集めていく。