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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第43章 現代を楽しもう! ❀謙信様の杞憂❀



謙信「?」

「謙信様が宿で言ったんです。『お前の身体は俺のモノだ。傷一つ負う事は許さん』って。
 だからお医者様に相談したの。帝王切開じゃなく、自然分娩で産めないかって」

謙信「……舞」


二度と会えない相手が言ったことを忠実に守った舞を、驚きの目で見つめている。


「えっと、条件はなんだったかな。二卵性だったことも良かったみたいなことを言われたかな。
 あとは切迫流産の症状が完全になくなることと、減っていた体重を妊婦さんの標準体重まで増やすこととか、妊娠中の糖尿の症状がないこととか。
 とにかくトラブルゼロで臨むのが条件だったから、入院中はひたすら安静にしてたんだ」


過去を振り返るように舞は遠い目をしていて、謙信と佐助はじっと見守っている。


「初産で二人続けて下から産むのは凄く大変で苦しかったですけど、おかげで戦国時代に戻ってからも子供を産めそうです。
 出産に危険はつきものですが、帝王切開のあとの自然分娩とはならないので、その分のリスクは無くせたかな。
 結果的に謙信様の言葉が私を守ってくれました、ね」


にこっと笑う顔はどこか落ち着きがあり、子を産んだ母の顔だった。


謙信「俺の言葉を守って…?もう二度と会えない男の言葉を守り、人よりも大変な思いをして二人を産んだというのか」

「はい。だって約束したじゃないですか。
『今度から体に傷を作らないように気を付けます』って。
 たとえ離れようとも二度と会えなかろうと、約束は約束です」


佐助が感嘆の吐息をもらした。


佐助「舞さんは凄いな。
 謙信様、『双子は安定期がない』と言われる程、妊娠中から母体の負担が大きいんです。分娩時の負担も大きくて、自然分娩を選ぶ女性は本当にごく稀なんです。
 部下が言うのもなんですが、舞さんを褒めてあげてください」

謙信「ああ」


佐助は席を外し、リビングに二人だけとなった。


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