第42章 現代を楽しもう! ❀山梨編❀
信玄「こら謙信、姫が選びにくいだろう。俺達はこっちで飲んで待とうじゃないか」
佐助「そうですね、舞さんが手を動かす度に謙信様の視線が鋭くなるので誰がどのワインを選んだかわかってしまいそうです」
信玄「さ、姫、遠慮なく美味しいと思ったものを選べ」
信玄様は謙信様をせっついてリビングへ。
そこには旅先で買ってきたウイスキーの瓶とグラスが置いてあった。
念のため、ウイスキーが飲めなかった時を考慮して新潟の日本酒も幾種類か用意しておいた。
信玄「500年後の甲斐の国は色んな酒が造られてるんだな。
どんな味がするか楽しみだ」
謙信「このウイスキーなるものは試飲どころか匂いも嗅いでいない。どんな酒だ」
佐助「今開けます。いいですか、このお酒は強いので、くれぐれも飲み過ぎないでくださいよ、謙信様」
謙信「何故俺にだけ警告する」
佐助「信玄様は酔ってもたいして変わりませんが、謙信様は酒乱ですから」
ズバッと言っても謙信様は気を害するわけでもなく、鼻を鳴らしただけだった。
謙信「俺が酒乱だと?寝ぼけてる暇があったらさっさと開けろ」
信玄「酔ってるやつに限って酔ってないって言うんだよなー?佐助」
佐助「激しく同意します」
リビングから聞こえる会話が面白い。
早く輪に加わりたいなと目の前のワイングラスに手を伸ばした。
「よし、怖いけどここは公平に『謙信様が選んだもの』じゃなく、私好みのワインを選ぼう」