第42章 現代を楽しもう! ❀山梨編❀
「ちなみに私が勝負に負けたらどうなるんですか?」
謙信「そうだな、一週間俺に触れることを禁ずる。
ただし俺から触れるのはありだ」
「…駄目、です」
そんなの我慢できそうにない。
下から見上げるようにしてくる二色の瞳が艶っぽい。
今日は一日一緒に居たけど、ほとんど触れ合っていないから、視線だけで嬉しいようなもどかしいような……
桃色の空気が漂い始めた頃、それを粉々に打ち砕く冷静な声がかかった。
佐助「さ、皆さん、布団に入りましたか」
結鈴・龍輝「「はーい」」
(えっ!?いつのまに?)
信玄「電気消してもいいぞー」
「え、待って、待って!まだ駄目!」
気付けば皆ぐちゃぐちゃになっていた布団を直して、枕に頭をのせて寝ころんでいる。
私と謙信様の布団だけが乱れたままだ。
二人で話している間に皆はさっさと寝仕度したようだ。
「あれ?結鈴はこっちの布団でしょ?」
結鈴「えー、信玄様と佐助君の間がいい」
信玄「俺は別にいいぞ?それとも姫は謙信の隣は嫌なのか?」
布団を直していた謙信様がこちらを見た。
「め、滅相もございませんっ!!」
(むしろちょっと嬉しい…なんて)
いそいそと布団に入った。
謙信様が隣の布団に寝転んだ拍子にふわっと香りがした。
「うふふ」
(いい匂い。嬉しいな)
反対隣に眠る龍輝の布団を掛けなおしてあげる。
枕投げの興奮がおさまらないのかコロコロ転がっている。
佐助「では、消しますね。おやすみなさい」
パチンという音がして部屋が真っ暗になる。