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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第42章 現代を楽しもう! ❀山梨編❀



試飲のボトルは赤ワインが一番種類多い。
端から選び、色、香り、口当たりを確かめていく。
信玄と佐助よりも1本にかけられる時間が少ない。


(ふむ、俺ならばこれを選ぶが、舞には軽めのこっちか?)


一通り飲み終え、めぼしいワインをグラスに注いだ。
匂いを確かめていると、


龍輝「パパ、お酒を選んでるの?」


舞と結鈴と『ソフトクリーム』なるものを食べに行った龍輝が、俺の手元を覗く。


謙信「ソフトクリームをもう食べてきたのか?今、母にワインを選んでいるところだ」

龍輝「うん、美味しくてもう食べちゃった。
 ママと結鈴はあっちのお店でお土産のお菓子を選んでるよ」

謙信「そうか。俺ももう直ぐ終わる。ここに居るか?」

龍輝「うん!」


幼少の頃の俺とそっくりの顔立ちをしていながら、嬉しそうに頷く無邪気な顔は、紛れもない舞から受け継がれたもの。


(ああ、お前は俺と舞の宝物だな)


勝負の最中だというのに妙に感動した。


龍輝「パパ、ママはそのワインじゃない気がする」

謙信「……?」


龍輝は試飲用のグラスに顔を近づけて匂いをかいだ。

眉を寄せているところをみると良い香りだとは感じていないようだ。


龍輝「ママはもっと重い方が」

謙信「重い?…待て、それ以上言うな。信玄達と勝負をしているところだ。
 お前に助言をもらってはズルをしたことになる」

龍輝「え?勝負してるの?じゃあ、もう言わない~ごめんね、パパ」


だが『重い』という言葉はすでに聞いてしまった。


謙信「龍輝、信玄と佐助のところに言って、二言三言ワインの感想を述べてこい。それであいこにする」

龍輝「はーい」


龍輝が信玄に歩み寄り、ワイングラスの香りを嗅いで何か言っている。


謙信「龍輝はあの年齢で酒の香りがわかるのか?さすが俺の息子だな」


佐助と何か話している龍輝を見ながら、迷いなく一本のワインボトルを手に取った。


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