第42章 現代を楽しもう! ❀山梨編❀
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初日は信玄様の所縁(ゆかり)の地や寺院を見て回った。
最初に訪れたのは信玄様が住んでいた躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)跡がある武田神社。
石垣やお堀は当時のままのようで、信玄様は驚いていた。
信玄「あそこにある井戸の傍で幸と水をかけ合って遊んだことがあったな」
古井戸は今は実用性はなく、展示物だ。
信玄様にとっては生きた思い出なのに、展示物としてある古井戸が少し寂しい。
「ふふ、信玄様っていつも大人な感じなのに、幸村と一緒だと少し無邪気になるんですね」
信玄「幸の反応が面白いから、ついな」
佐助「確かに。あとツッコミのタイミングと切れ味も最高だ」
「そうなの?あまり話したことなかったけど、今度佐助君とのズットモコント見たいな」
信玄「はは、あっちに帰ったらしょっちゅう見られると思うぞ」
謙信「…人の城であまり騒々しくするなよ」
「謙信様のお城も見てみたいです。でも良かったんですか?この時代の越後に行かなくても」
一度誘ってみたことがあったけど、あっさりと断られてしまった。今ならまだ行けると思って聞いてみた。
謙信「良い。越後の現在がどうなっているかはネットやTVで見た」
温度の低い眼差しが古井戸に注がれている。
謙信「俺は越後のことは息子に一任してきた。その後あいつがどう生きて、子孫がどうなったのか。城がどうなったのか、全て知っている。
あいつが進んだ道が今の越後の礎を築いた。直に見なくとも十分だ。
越後に行くなら俺が知る500年前の時に戻ってからだ。だが帰ってからは政も戦も手を出すつもりはない」
(現在の越後を知って満足したってことかな)
なおさら連れて行ってあげたい気がしたのだけど、本人が望んでいないのなら尊重しよう。