第40章 現代を楽しもう! ❀佐助君の憂い❀
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(佐助目線)
同僚「佐助―。ほら、この間の検査の結果」
佐助「ありがとう。何か問題はなかった?」
同僚「なーんにも。至って健康な身体で、特段変わったところはないよ」
佐助「そうか」
通い慣れた研究室で渡されたのは、この間舞さんに協力してもらった検査の結果だ。
封筒の中身を取り出し、特に気になっていた血液成分の結果一覧に目を通す。
蜂毒に対するアレルギーがある以外は何もない。
ぺら…
同僚「それは脳波を調べたやつだな」
佐助「…」
細かい数値を見ていく。
医学の分野は詳しくないから、同僚の解説を聞きながら、メモをしていく。
舞さんから話を聞いて、ワームホールの発生には持って生まれた体質の他にも、思考が影響を与えているような印象を受けた。
一番最初のタイムスリップは除くとして、謙信様が建てたお寺の、謙信様が埋めさせた毘沙門天の場所に降り立つなんてことは、『謙信様のことを考えていた』という思考が関係していなければあり得ない気がした。
少し時間とお金がかかったけれど、血液中に存在する『今現在』検出できる成分を全て出してもらった。
結果は、通常の人間と変わらない数値と成分を示している。
(脳波も異常なしとくれば心臓は…?)
同僚「これが心電図と胸部レントゲン。この辺りも特に問題ない」
ぺら
同僚が説明するレントゲン写真に何気なく目をやった。
佐助「ちょっとこれは確認したらシュレッダーにかけても良いかな」
同僚「ん?別に、佐助がいいなら俺は別にいいぞ」
これは家に持ち帰れない。
謙信様に見られたら一刀両断にされる。
この写真も、俺も。