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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第38章 現代を楽しもう! ❀北の旅編 R-18❀


「責があるなんて、どちらかといえば『俺はお前の夫だからな』って言ってくれた方が嬉しいです」

謙信「っ!?」


私のなけなしの策が功を奏して謙信様の顔がふわっと赤く染まった。

謙信様のことを「夫」と言い慣れていなくて恥ずかしい。
未だに頭の片隅で私を好きになってくれたのが信じられないという想いが残っている。

そのせいで夫という単語を口にするのもためらうし、絵美に『あんたの旦那』なんて言われるとソワソワする。

伴侶を現す言葉に、謙信様はきっと喜んでくれるという確信があった。


「謙信様は旦那様なんですから、私が弱っている時は支えてください。
 逆も然りです。謙信様が辛い時は私が傍でお支えしますから、安心して寄っかかってくださいね!」

謙信「わかった」


突然後ろから体重をかけられた。


「わっ!?おもっ!重い!」


湯船が間近に迫った。
若干焦っていると耳元で笑う気配がした。


謙信「試しに寄っかかってみたのだが潰れそうだな」

「謙信様っ!こ、こういうことじゃなく精神論を言っているのであって…」


(これも悪くないなんて思ってるけど)


揶揄われたのが悔しいから教えてあげない。


謙信「ふっ、わかっている。愛らしく、いじらしい妻だと思ったら堪らなくなった」


激甘なセリフに私は固まってしまい、謙信様は満面の笑みを浮かべた。


謙信「ありがとう、舞。お前はそこに居るだけで俺の支えになっている。
 俺もそうでありたいといつも思っている。
 これから俺達の道がどこへ続いていようとも、夫として妻として助け合って生きて行こう」

「は、はいっ」

謙信「泣くか笑うかどっちかにしろ。ああ、ほら、愛らしい目が赤くなって……」

「うさぎみたいですか?」


目をこすりながら笑いかけると謙信様はおかしそうに笑った。


謙信「ああ、そうだな。お前は龍に守られる可愛いうさぎだ。
 いつまでも俺の腕の中にいろ」

「んっ」


蕩けるような眼差しが不意に近づき、唇を奪われる。
誓いのキスにも似た優しい触れ方で……。


身体に回った謙信様の左手から硬い指輪の感触がして、そっと幸せを噛みしめた。


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