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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第38章 現代を楽しもう! ❀北の旅編 R-18❀



謙信「今はここまでだ。温まれ。慣れないことが続き、疲れているだろう?」

「は、はい。ありがとうございます」


言葉とは裏腹、見つめ合っていればお互い考えていることはわかった。


(早くもっと深く繋がりたい)


でも確かに気を抜けば脱力してしまいそうな疲労はある。

お言葉に甘えて謙信様に身体を預け、目を瞑って一時の休憩をとる。

手足を伸ばし一息つくと、今日一日の出来事が頭をよぎる。


(嬉しかったな…)


目を開けると、夢じゃない証拠に左手には指輪が嵌っている。


「謙信様のお嫁さんになれたんだと、今日はすごく実感します。
 今までそう感じていなかったわけではないのですが、ドレスを着て式をあげ、皆に祝ってもらって…。
 こうして形に残る指輪まで頂いてとても嬉しいです」


顔を後ろに向け、大好きな二色の瞳を見つめる。
龍輝よりも濃く、強く光る双眸に私だけが映っている。


(一緒に居られて幸せ)


空白の5年を思い出すと今も寂しいけど、この半年、物凄いスピードで幸福の色に塗りかえられている。


「謙信様。私は5年前の2月、雪深い季節の、雪が舞い散る日にあの時代を去りました。
 毎年、2月の雪を見ると胸が苦しくて辛くて…」


ワームホールが開いた日時になると、涙することもあった。
切ない胸の内を明かすと謙信様は少し辛そうな顔をして頭を撫でてくれた。

謙信様の腕が動く度にちゃぷん…ちゃぷん…とお湯が跳ねた。


「でも今日は2月の雪を見ても平気でした。謙信様が傍に居て、幸せでいっぱいにしてくれたから。
 ありがとうございます、謙信様」

謙信「お前の憂いをほんの少しでも拭いされたなら、喜ばしいことだ。
 過去の悲しみは変えられないが、お前の隣で痛みを分け合い、支えてやることはできる。
 辛くなったら遠慮なく言え。5年前の別れは俺にも責がある」


翳ってしまった瞳にハッとする。
お礼を言いたかっただけなのに、謙信様に暗い顔をさせてしまった。


(えーと、ここはなんて言ったら良いかな)


いつもの謙信様に戻って欲しい一心で頭をフル回転させた。


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