第37章 現代を楽しもう! ❀北の旅編❀
担当だというウェディングプランナーに手を引かれ、スタイリストがドレスの裾を持って一緒に歩いてくれた。
慣れない靴と慣れない服装でホテルの廊下を歩く。
偶然すれ違った人たちが祝福の眼差しを送ってくれる。
「……」
ウェディングプランナーがついているということは、前もってこの計画は立てられていたに違いない。
いつから?
そんな素振りはなかったから全然気づかなかった。
会いたい。早く。
子供達とプールに行ったはずのあなたに。
プランナー「こちらの部屋でお待ちください」
スタイリストさんが最終確認をするように後れ毛の位置やベールを軽くなおした。
二人が目配せでOKサインを出したのがわかった。
プランナー「失礼します。ご新婦様の用意ができました」
『ご新婦様』
そう呼ばれて心臓が跳ねた。
ドキン
なんだか緊張する。今の姿をどう思われるんだろう。
でも早く…会いたい。
頭の整理がつかないまま手を引かれ部屋に入った。
待合室のような部屋に1人。最愛の人が白いタキシードで迎えてくれた。
色素が薄い謙信様に、白のタキシードがよく似合っていた。
手を引かれ、謙信様に近づけば近づく程、二色の瞳に熱がこもっているのがわかった。
きっと私も同じ目をしている。
甘い疼きで胸が苦しい。