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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第37章 現代を楽しもう! ❀北の旅編❀


――――
――


魔法をかけられたようだった。


光沢とハリがあるサテン生地のドレスに身を包み二の腕半ばまである長いロンググローブ。


ダイヤとパールがあしらわれたティアラが頭上で輝き、レースで縁取られたマリアベールをかけられた。
耳にはティアラとお揃いのイヤリング。


全部、白だ。


用意されていた白い靴に足を入れて鏡を振り返ると、驚いた顔の花嫁が居た。

プリンセスラインのドレスは、可愛らしいラインを描き、腰には大きなリボンがあった。

バックスタイルはサテン生地ではなく、レース生地がふんだんに使われていて、裾が5~6メートル床を引きずる長さだ。

繊細なレース柄が床に広がり美しい。


可愛い中にも品のあるデザインを選んだのはきっと……


胸に熱いものが溢れた。


「あ、あの、これって……」


ドレスを持ってきてくれたスタイリストに尋ねても『ご本人に直接お聞きくださいませ』と優しく言われた。


部屋を出る時、スタンドに収まっていたブーケを渡された。

花びらの形が異なる2種類の白薔薇をメインに、白の芍薬、アクセントに水色の小さな花が混じっている。

花の間を埋めるように薄いブルーにレースが重なったリボンが見えている。


「あ……綺麗…」


あの人を想わせる色合いに、なんだか泣きたくなった。


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