第37章 現代を楽しもう! ❀北の旅編❀
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「………一体なんなの」
髪は華やかにアップにされ、メイクまでされた。
自然な仕上がりになるようにと目尻の方にだけつけまつげをされて、流石というかプロに仕上げてもらったヘアメイクはとても素敵な仕上がりだ。
でも……
「こんな華美な恰好で何しろっていうの?」
美容師さんがどこかに行ったタイミングでため息を吐いた。
ゆっくりしてこいと言われたけど、時計をみれば部屋を出てから4時間ちかく経っている。
龍輝と結鈴が気にかかって仕方がない。流石に部屋に戻ってきている頃だろう。
モヤモヤした気分で居ると、美容師さんが颯爽と歩み寄ってきて私が座っている椅子をくるりと回転させた。
美容師「あちらでお仕度ください」
「…?なんの仕度ですか?」
美容師「私からは…」
言葉を濁した美容師さんはにこやかに微笑んで案内してくれた。
靴を脱ぐように言われて踏み入れたスペースは、ベージュのカーペットが敷かれていて6畳ほどの広さだった。
同じ部屋がいくつか並んでいるようだ。
部屋には全身がうつる鏡が設置されていて不安そうな顔をしている自分が映っている。
「なんだろう…佐助君、これってどうなってんの?」
仕度ってなんの仕度?
部屋には何もない。
?「失礼します」
急に人が現れドキリとした。
「は、はいっ!」
振り向いて驚いた。
その人が持っているモノがあまりに予想外だったから…