第37章 現代を楽しもう! ❀北の旅編❀
(この格好で何を……?)
茫然としたまま受付に立つとお店の人が『お代は済んでおります。そのまま隣の美容室にどうぞ』と言った。
「え、美容室ですか?」
何も聞いてない。
店員「はい。予約時にそのように承っております」
「?は、はい」
(よくわかんないけど行ってみよう。間違いだったら帰ればいいことだし)
慣れないエステの後のせいか足取りがふわふわする。
美容師「いらっしゃいませ。水崎様ですね。お待ちしておりました」
「……よろしくお願いします?」
いったい私はここで何を予約されたんだろう。
この旅行にくる直前にカラーもカットもしたばかりだというのに。
(さっき頭皮マッサージされたついでに髪も綺麗になってるし…)
いい匂いがするサラッサラの髪を見て戸惑うばかりだ。
椅子に座らされると若い美容師さんが数冊の本を持って現れた。
美容師「アップスタイルと伺っております。お好みを教えてください」
「えっと、アップスタイルにするんですか?私が?」
美容師「はい、ご予約時にそう聞いております」
「……」
(なんだろう。今日のランチは本格的なフレンチのお店でも予約してるのかな)
謙信様達はプールにいって連絡つかないだろうし、言われるままにするしかない。
仕方なくカタログの山に手を伸ばした。