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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第37章 現代を楽しもう! ❀北の旅編❀


――――

空港から出ているホテル直行バスに乗り込み、到着したのは15時くらいだった。

バス停からホテルのエントランスに向かう途中、龍輝(たつき)と結鈴(ゆり)がホテルを見上げて立ち止まった。


結鈴「わぁ、ここに泊まるの?」

「うん、そうだよ。今日はゆっくり休んで、明日は大きなプールに入るからね」

龍輝「やったー!」


長い移動時間にダレていた二人がやっといつもの元気を取り戻した。
二人が生まれてから泊りがけの旅行なんてしたことがなかったから、私もワクワクしている。


(それになんといっても……)


チラッと隣に立つ謙信様を見る。


(皆も一緒だけど謙信様と旅行なんて、凄く嬉しいな)


こんなに幸せで良いのかと怖くなる。
一人でワームホールに飛び込んだ時には永遠にお別れだと思ったのに。

あの時に別れを覚悟したせいか謙信様が傍にいて、見るもの、感じるもの、全部大切で尊いと感じる。

今回の旅行だって、きっと一生の思い出になる。


「謙信様」

謙信「なんだ?」


褪せた金色の髪が揺れ、柔らかく細められた二色の瞳に私がうつりこんだ。

それだけで胸がいっぱいになる。


(一緒に居られるだけで幸せ……)


「旅行、楽しみましょうね」


皆からは見えにくい方の手をきゅっと握った。
謙信様は満面の笑みを浮かべ、握り返してくれた。


謙信「ああ。家族水入らずとまではいかないが、舞と子供達と旅ができるこの日を楽しみにしていた。たくさん楽しむとしよう」


影がサッと動き、頬に柔らかい感触がして離れた。


「謙信様……」


口づけされた場所に手をあてると、頬が熱くなっていた。


謙信「ことあるごとに愛らしい顔で見つめてくるからだ。俺もそう気が長いほうではないからな」


(こっそり見惚れていたのを気づかれていたなんて)


顔に熱くて仕方がない。


龍輝「ママとパパがっ…」

結鈴「しーー!邪魔しちゃ駄目なんだよ」

信玄「はは、あの二人は放っておいて先に行こう」

佐助「ええ、さっさとチェックインしましょう」


まだ旅は始まったばかりなのに、めちゃくちゃ皆に気を使わせてしまった。


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