第36章 現代を楽しもう! ❀年末年始編❀
二人が居なくなった後、信玄様と子供達が姿を現した。
信玄「やれやれ、大晦日で忙しいって時になぁにやってんだ?
姫、蕎麦屋の主人がサービスしてくれたぞ」
「おつかい、ありがとうございました」
ボールを一旦置き、袋を受け取ると生そばのパックの上に棒状のモノが入った透明な袋が乗っている。
「揚げ蕎麦ですね」
結鈴「それ、美味しいの?」
龍輝「僕、食べられるやつ?」
「うん、美味しいよ、ちょっと待ってね」
食器棚から皿を出してキッチンペーパーを敷き、揚げ蕎麦を袋から出した。
「お蕎麦を油で揚げて、塩がふってあるんだ。カリカリしていて美味しいんだよ。
はい、あーん」
龍輝と結鈴に一本ずつ口に入れてあげた。
結鈴・龍輝「「おいしー。もっと食べる」」
「手を洗ってきたら、食べていいよ」
二人が洗面台に走っていった。
それを見送り天ぷら油に火を入れようとした時だった。
信玄「姫」
「はい」
信玄「俺も食べてみたいんだが、生憎まだ手を洗ってないんだ。
俺にもさっきのアレやってくれないか?」
(さっきのアレって…『あーん』ってやつ!?)
「な、な、なっ!?何言ってるんですか、信玄様は大人なんですから手を洗うまでの我慢です!」
信玄「結鈴と龍輝が洗い終わるまで待つのか。お腹がすいて倒れそうなんだが?」
「っ」
(絶対嘘だ!)
流し見る目にはっきりとからかいの色が浮かんでいる。