第36章 現代を楽しもう! ❀年末年始編❀
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市営なので動物園と言ってもそんなに多くの動物はいない。
一通り見た後、併設されている植物園と公園に寄って遊んだ。
謙信様は温室に入るのが初めてで、温室いっぱいにある南国の草花に驚き、また興味深く眺めていた。
きっと一人なら何時間でもそこで過ごしていたのだろうけど、植物園にすぐ飽きてしまった子供達に連れ出されてしまった。
龍輝「ママ―!!見える!?」
高いアスレチックの一番上まで登った龍輝が、大きく手を振って寄こす。
植物園で転んだ龍輝がサボテンに手をついてしまったけど、元気よく遊ぶ姿をみればたいしたことなさそうだ。
今日は冷たい風が吹いているので他に遊んでいる子は居なかった。
「見えるよーーーー!!」
両手で手を振ると『登ってきて』と言われる。
「ママ、高い所苦手だから駄目―!ごめんね!」
言い返すと隣に立っていた謙信様が驚いている。
(ん?)
謙信「高い所が苦手なら、城から抜け出したあの時は大丈夫だったのか?」
確かに天井に上ったり降りたり。橋の上から飛び降りたりした。
でもあの時は……甘やかなときめきが蘇る。
「だってあの時は謙信様がしっかり支えてくれていたじゃないですか。
もうあの時点で私は謙信様がその……でしたし、色々必死だったので怖くなかったです」
(あの時は、まさか数年後に謙信様と一緒に現代で暮らしているなんて想像もしてなかったな…)
2人も子供が居るし…。本当、人生って不思議だ。
謙信「ほう?そうだったのか。
聞こえなかった言葉はあとでユックリ聞くとしよう」
絶対わかっているくせに謙信様はそう言って、アスレチックをスルスルと登っていった。