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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第36章 現代を楽しもう! ❀年末年始編❀


人目があるので手を握れないのがもどかしい。


「いえ、聞いて欲しいです。だって気分が良くなったのは謙信様のおかげでもあったので」

謙信「俺の?」

「はい。あの宿で謙信様は私を『うさぎのようだ』と言ってくださったでしょう?
 うさぎに触れている時、それを思い出したんです。
 こんな可愛いうさぎにたとえてくれて嬉しいな、って」


あの時、うさぎに触れ、謙信様を近くに感じ、久しぶりに凄く気分が良くなった。


「傍にいなくても謙信様がくれた言葉で気分が良くなったんですよ。
 こんな可愛い生き物にたとえてくれて嬉しかったんです。ありがとうございます、謙信様」


あの時の気持ちを思い出し、嬉しいと思った気持ちをそのまま伝えた。
翳っていた表情がみるみる甘さを含んだものに変わっていく。


謙信「今でもその気持ちは変わらない。お前はうさぎを思わせる動きや、愛らしさをみせる。
 そうか…寝込んでいる時も、俺を思い出してくれていたのだな」

「もちろんです。ずっと…謙信様のことを想っていましたよ」


うさぎを撫でていた手が髪に伸び、そっと梳いてくれた。

それ以上触れてこない指先が切なくて、でも今は我慢する。


飼育員「それではソロソロお時間となりましたので次のグループと交換に……」


飼育員さんの声掛けとともに一時のふれあいは終わりを告げた。


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