第36章 現代を楽しもう! ❀年末年始編❀
信玄様や佐助君の分の洗濯物が増え、お茶を煎れてあげたところで手間でもなんてもないのだけど、私が二人の世話をする度に謙信様の眉間の皺が深くなる。
謙信「はぁ、お前と結鈴と龍輝と4人でどこかに行きたい」
「4人でですか?」
少し拗ねているように見えるのは気のせいだろうか。
(家族水入らずになりたいってことかな)
賑やかに楽しく過ごしていたけど思えば家族4人で行動したことはほぼ、ない。
(もしかして謙信様はずっとそう思ってくれていたのかな)
それなら大分我慢させてしまったことになる。
早くその些細なお願いを叶えてあげたい。
先ほどの謙信様達の会話から出かける口実を引っ張ってきた。
「クリスマス!そう、クリスマスを家族で過ごしましょう、謙信様!」
謙信「クリスマスはキリストの生誕日、だったか。
日本では宗教的な意味合いは薄く、イベントのひとつとして過ごすらしいな」
信玄「確か前の日をクリスマス・イヴといって恋人たちがプレゼントを送りあってデートするんだってな。
駅前の飾りはクリスマスを迎えるための準備だったのか」
こちらにきて半年弱なのに。
もうそんなことがスラスラ言えるようになるなんて、凄すぎる。
戦国時代に飛ばされた時の自分を思うと頭があがらない。
「お二人共凄いですね。
謙信様が家族水入らずで過ごしたいならクリスマスイヴにどこかに出かけませんか?
25日は皆でここでクリスマスパーティーを開きましょう」
謙信「パーティーは宴のようなものだったか…」
「はい。子供達とケーキを作る約束をしているので、パーティーはしたいんです。
イヴなら、クリスマスならではの催しをあちこちでやっているので、子供達も喜ぶと思います」
謙信様は静かに頷いた。
謙信「ではクリスマスイヴは4人で出かけよう」
「はい!」
突然決まったクリスマスのお出かけに胸が躍った。