第34章 現代を楽しもう! ❀お勉強編❀
「信長様はIQが高いなって思う時があったけど、謙信様と信玄様も相当だよね、佐助君」
佐助「そうだね。あの時代は端末なんてないし、全てのことを頭で覚え、処理しなきゃならないからな。
記憶力や理解力は現代人より遥かに高いのかもしれない。
謙信様と信玄様も頭の回転が速いってわかっていたけど正直ここまで貪欲に勉強に走るとは思わなかったよ」
謙信様が耳にイヤホンをしてタブレットをジッと見ている。
『目が疲れる』と仕切りに言うので、佐助君がブルーライトをカットする眼鏡を買ってきてくれて勉強中はそれをかけている。
形の良い唇が言葉を反芻するように小さく動いている。
語学を勉強中のようだ。
佐助「戦国武将がタブレットで勉強してる。なんて貴重な姿なんだ」
「やだ、佐助君ったら。ふふ!でもあの眼鏡……すごく似合ってるよね」
謙信様も信玄様も眼鏡をかけると知的さがマシマシになる。
佐助「舞さんも男性の眼鏡姿に胸キュンするタイプなんだね」
「え?そ、そうかな。ま、ほら、謙信様なら何を身に着けてもっててやつで………」
語尾をごにょごにょと濁すと佐助君が眼鏡の奥で目元を和らげた。
佐助「なるほど。ごちそうさま。
君は本当に謙信様が好きなんだね」
惚気たのがバレて気まずい。でも事実だから仕方ない。
「い、今更それを言わないでよ、佐助君。
でも佐助君も謙信様と信玄様と並んでも全然引けをとらないくらいイケメン眼鏡男子だよ」
佐助「…………あー、ありがとう。
あの二人と一緒に並べられると気が引けるんだけど君にそう言ってもらえると嬉しい」
佐助君は無表情で照れるから面白い。
佐助「それより舞さんは字の勉強してるんだって?」
「そうなの。この間から始めたばかりだからまだまだだけどね。
まずは三成くんからお別れの時に貰った御伽草子を読めるようにするのが目標なんだ」
佐助「三成さんから…。それは大事だね」
「うん」