第33章 蜜月の始まり(R18)
謙信「やっととろけた顔を見られた」
少しだけ息を荒くした謙信様が嬉しそうに目を細めた。
「謙信様……気持ちいいです」
謙信「俺もだ…」
謙信様は私の前髪をどけて額に口づけを落としてきた。
軽い触れ合いなのに愛されているのが伝わってくる。
硬い胸板に押しつぶされていた胸が重みから解放された。
謙信様が身体を起こしてあちこちに口づけの雨を降らす。
ちゅっ、ちゅっと微かなリップ音を聞く度に肌が熱をあげていった。
手首を掴まれ腕をあげられると二の腕の内側、脇まで口づけしてくる。
「あ、そんなとこっ…」
(くすぐったいのにゾクゾクする)
口で抵抗しても、快感には抗えず口からは熱い吐息が洩れた。
謙信「隅々までお前を愛したい。俺の唇が触れていない場所がなくなるくらいにな」
(触れてない場所がなくなるくらいって…)
サーっと青ざめる思いがした。
「も、もう一回お風呂に入ってきますっ!」
そう言ったものの手首を固定されているので起き上がれなかった。
脇の下から胸の方にツツと舌が這う。
「っ…」
謙信「さっき身体は清めただろう?」
まだ愛撫されていないのに硬く尖っていた乳首を指先でくすぐられた。
「ん!」
微細な刺激は、胸からお腹、全身へと熱をもたらした。
謙信「これ以上待つつもりはない。ありのままのお前でいい。
身を任せ快感を貪(むさぼ)れ」
貪れだなんて…と恥じらう暇もなく口づけが次々に降ってきた。
触れるだけの時もあれば舌を這わせ、甘噛みされる時もあった。
謙信「腰をあげろ」
優しい口づけとは裏腹、パジャマのズボンと下着を脱がせる動作は酷く荒々しい。
仰向けで触れられるところに口づけ終えた謙信様は、私を後ろ向きにして膝の上に乗せると耳の後ろ、肩、背中にも口づけていく。
髪をかき上げられただけで、首筋の肌が期待で粟立った。