第33章 蜜月の始まり(R18)
謙信「ほら、余計なことを考えるな」
「んん!」
形の良い唇にまた奪われた。
今度は呼吸を奪うように深く、口内を嬲るような口づけだ。
私の舌を舐めとり、吸って、舌の裏側まで舐めて…顔の角度を変えては口内を侵す。
……チュ…ピチュ……
「ん、ん……」
身体の上にある謙信様の重みが私をやんわりとベッドに押し付け、動けなくさせる。
固い胸板に私の胸が押しつぶされて心地良い。
(気持ちいい……)
次第に思考がとろけ出す。
チュッ!とリップ音がして唇が離れた。
唇を追いかけるけど謙信様が上半身を離してしまったので届かなかった。
「あ、謙信様……もっと…」
もっと触れていたい。
謙信「そう唇をとがらせるな。もっと……なんだ?」
「い、意地悪!」
謙信「お前が俺を求めるのを聞きたい。もっとどうして欲しい?」
言葉を求められ口ごもる。
けど、さっき謙信様に抱きたいと言われた時に嬉しかった。
愛する人に求められて嬉しかったから今度は私が言う番だ。
羞恥心は唾を飲んで誤魔化した。
「も、もっと……触れてください。私も謙信様に触れでもいいですか?」
謙信「ああ、もちろんだ。お前が望むこと全て叶えてやろう」
謙信様は両腕を身体の前で交差させてシャツの裾を掴むと、一気に脱いだ。
やせ細っていた名残はまだあるけど、綺麗な肢体が露わになった。
(綺麗……)
謙信様の裸を見るのは5年前のあの日以来だ。
ドキンドキンと心臓がうるさい。
割れている腹筋に指先を滑らせた。
謙信「ふ、くすぐったい。遠慮はいらぬ、もっと堂々と触れ」
謙信様は私の手首を掴むと、自分のお腹にペタっと触らせた。
鍛えられ、弾力のある筋肉が吸い付くようだ。
「ふふ、すみません。あまりにも綺麗なので…」
謙信「綺麗なのはお前の方だろう?久しぶりにお前の身体を見せてくれ」
細い指が私のパジャマのボタンに触れ、胸が高鳴った。
器用にボタンを下まで外すとブラが露わになった。
きっと外し方がわからず困り顔をするだろうなと思っていると、謙信様の手は躊躇いもなく背中へと回った。