第33章 蜜月の始まり(R18)
謙信「『パーセント』と聞くと今でも胸が引き裂かれそうだ」
呻くような声にハッとしてスマホから謙信様に視線を戻した。
謙信様は右手で片目を覆い物憂げな表情をしている。
(もしかして…)
「もしかしてワームホールの?」
謙信「そうだ。99%ほぼ発生しないと聞いた時を思い出した」
急いでスマホを伏せて謙信様を抱きしめた。
「嫌なことを思い出させてしまいました。申し訳ありません。
ずっと謙信様のお傍にいます。もう離れませんので安心してください」
存在を証明するために目一杯抱きしめてあげると、謙信様が不安を消すように抱きしめ返してくれた。
謙信「取り乱してすまない。お前はこうして腕の中に居ると言うのに…」
「いいえ、私もちょっと無神経でしたね。今夜はそろそろ寝ましょうか」
謙信「いや。今宵はお前を抱きたい。我慢のしすぎで昼夜問わず襲ってしまいそうだ。
それにワームホールのおかげで『パーセント』が理解できる。
お前が子を孕む確率が限りなく低いことがな」
身体に回った謙信様の体温があがってきている。
顎をとらわれ唇が触れそうな距離で謙信様が囁いた。
「っ」
謙信「お前と愛を交わし、98%を超える効果さえ打ち破って子ができたその時は天からの授かりものだ。
その時は俺の子を産んでくれるか?」
(そんなの、返事は決まっている)
「もちろんです、喜んで!今じゃない、とは思っていますが、もし子供ができても謙信様は私や子供達を大切にしてくれるってわかっていますから」
謙信「ふっ、お前には叶わぬな。今すぐお前が欲しい…」
「私もです、謙信様。いっぱい愛してください」
期待に胸を躍らせながら静かに口づけを交わした。