• テキストサイズ

☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第32章 眠り王子に祝福の…を


「え?いいの?」

謙信「……」

絵美「舞の旦那さんなんだから信用できるでしょ。
 それにあなたがどんな鍛錬を積むのか興味あるし」


謙信様が迷惑そうに顔をしかめる。


謙信「やはり庭で充分だ」


クルリと向きを変えて謙信様が歩き出して、それに結鈴と龍輝がついていく。


絵美「あらら、あんたの旦那さんってひと癖あるのね」

「ひと癖もふた癖もあるよ。でもとっても素敵な人だよ」

絵美「はいはい、ごちそうさま。旦那さんを堂々と素敵だって言うあんたも凄いわ。
 さっきの話だけど道場は5時には開いてるから気が向いたら使って。ついでに最近たるんでる私の旦那を鍛えて欲しいところだわ」

「ふふ、またまた。絵美の旦那さんって色んな大会で優勝している凄い人なんでしょ?」

絵美「それが駄目なのよ。強敵が居ないと人って成長しないじゃない。
 あんたの旦那さん、きっと凄く強いと思う」

「わかるの?」

絵美「わかるわよ。あんな人滅多に、いえ、会ったことない。
 あの人自体が刃物みたいに鋭い。でも不思議なことに悪い人ではない気がするのよね」


絵美が遠くなっていく謙信様の背中を見ながら、そう評価した。


「うん、凄く強い人だよ。大勢の人を惹きつけて導いて、引っ張ってきた人なの。
 強引だし時々度肝をぬかれちゃうけど律義で誠実な方だよ。
 もし道場に行くことがあったらよろしくお願いします。

 話し方とか物の考え方とか古風なところがあるから、その辺もよろしくお願いします」

絵美「へー、あんたの旦那さんって面白そうね。
 わかった、任された!」


絵美は胸元をポンと叩いてカラッと笑った。


(謙信様も絵美のこと面白いって言ってた。意外と気が合うかな?)


戦国時代では難しい『裏表のない人間関係』を経験して欲しい。

腹の内を探って敵の思考を先々まで読む。
そんな殺伐としたものから少し離れて、平和な時を過ごしてもらいたい。



その数日後、絵美の旦那さんを震え上がらせるほど打ちのめした謙信様が、道場の日雇い講師を務めることになったのは別の話。


/ 1735ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp