第32章 眠り王子に祝福の…を
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それから一か月が過ぎた。
信玄様はあの夜以降は容体が安定し、一般病棟に移されて眠っている。
2週間程付き添いを続けていた佐助君と謙信様も私の家へと戻ってきた。
佐助「一度大学院へ行ってくる。教授に今回のお礼と報告をしてくる。
あと今回お世話になったお礼に教授の手伝いをしてきたいんだ。しばらく留守にするけど大丈夫?」
「謙信様もこっちの生活に大分慣れてきたし、気にしないでいってきて。
佐助君の教授にはとっても感謝してるの。よろしくお伝えてください」
教授のおかげですんなりと入院することができたし、優秀な先生に執刀してもらえた。
それに佐助君が戦国時代から持ってきた物を買ってくれるという人を紹介してくれたらしい。
まだ交渉中で金額が決まっていない物もある中、見せられた総額に私はひっくり返りそうになったのは数日前の話だ。
佐助「ありがとう、行ってくるよ。謙信様、俺が居ない間、舞さんを困らせないでくださいね」
謙信「つまらんことを言ってないで、さっさと行って帰ってこい。
お前が居ないと体が鈍る」
不機嫌を前面に押し出した謙信様に見送られ、佐助君は京へ発って行った。