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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第31章 パパなんて嫌い


「えっと……皆、仲良くなって良かったです…ね?」


リビングに二人の声が高く響き渡る。チラリと謙信様を見ると、


(うわぁ…どうしよう、怒ってる。凄く…信玄様、佐助君~)


察して欲しいと目で訴えるけど、二人とも気づいてくれない。
いや、本当は気づいているのかもしれないけど。


「け、謙信様。これからずっと一緒ですから、その、ちょっとだけ信玄様と佐助君と交流を持たせて…」

謙信「くっ、俺としたことが信玄と佐助に遅れをとるとは…」

「……聞いてます?」


謙信様は二人を取り戻したくて仕方がないらしい。


「もう仕方のない方ですね」


昨夜も同じセリフを言ったな、と笑いがこみ上げてくる。


(皆が遊んでいるうちにご飯でも作ろうかな)


キッチンへ向かおうとして背後から謙信様に手を引っ張られた。


謙信「お前まで俺から離れるのか?」

「え?ふふ、食事の用意をしようとしただけです。
 そんな寂しそうな顔しないでください」


振り返るとすぐ近くに謙信様の整った顔があってドギマギする。


(あ、相変わらず素敵……)


なんてことを考えながら見惚れてしまう。


謙信「俺に黙ってどこにも行くな」


後ろからギュウと抱きしめられた。


(え?キッチン、すぐそこなのに断らなきゃいけないの?)


心の中で突っ込みをいれてる間に、佐助君と話していた龍輝が私達を見て嬉々として声を上げた。


龍輝「あーーーーーーーー!パパが、ママをぎゅーしてる!」

結鈴「わーーー、いいな。結鈴もギューして欲しい!」

信玄「ん?結鈴は抱きしめて欲しいのか?どれ、じゃあ俺が…」


謙信様の腕が私からバっと離れ、凄い勢いで信玄様のところに向かった。


謙信「信玄!貴様、それ以上結鈴に手を出したらタダではすまぬと思えっ!」


帯刀していたなら刀を抜きそうな勢いで謙信様が凄む。


信玄「やれやれ、結鈴の父は怖いなあ?また遊びにおいで」


信玄様はお姫様抱っこしていた結鈴を謙信様に手渡した。


結鈴「信玄様、優しくて大きくて、いい匂い。大好き」

謙信「っ……」


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