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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第31章 パパなんて嫌い


(ただ呼び方が私と同じなのはどうしようって思うけど…)


年上の佐助君に対して『君』は良くないな。と考えながらリビングに入った。

ソファに座りTVを見ていた信玄様がゆったりと立ち上がったのが見え、続いて『わぁ、本物の信玄様だぁ』という結鈴の声が聞こえた。

信玄様は結鈴を見てにこやかに微笑んだ。


信玄「謙信、早速娘を泣かせたのか?泣き声がしたから随分と心配したが…杞憂のようだったな。
 小さな姫君、名を教えてくれないか?」

結鈴「…姫?」


結鈴がポカンと口を開けている。


謙信「佐助共々斬り伏せてくれようか。俺が子供相手に何かするわけがあるまい。
 結鈴、信玄には近づくなよ。こいつはすぐ女を誑かす」

結鈴「パパ、たぶら…て何?」

「わわわ、まだそんな難しい言葉を覚えなくていいよ。
 ほ、ほら、ご挨拶して」


龍輝と結鈴を信玄様と佐助君の前に立たせた。


龍輝「甘い物が大好きな信玄様と…」

結鈴「まきびしが大好きな佐助君だぁ…」


二人は自己紹介を忘れて目を輝かせている。人形そっくりの人間が現れて感動している。


謙信「龍輝と結鈴は何故信玄と佐助を知っているんだ?」


訝し気に問われ、


「え、えーと、私が作った人形がありまして…性格や趣味も私が話して聞かせていたんです」

謙信「ほう、それは面白い。あとで見せてもらおうか。
 お前が作ったというならさぞかし良く出来ているのだろうな」

「は、はい」


(安土メンバーは隠すべき?)


ふと過った考えはひとまずスルーして、二人に挨拶をさせた。

信玄「俺は武田信玄だ、よろしくな。結鈴は舞に似て可愛いらしいな。
 姫、小さい姫を抱っこしていいか?」

「いいです…わっ?」

謙信「駄目だ」


謙信様がズイと二人の前に出て立ちふさがった。


信玄「いいじゃないか、ちょっとくらい」

佐助「謙信様、俺もお二人をよく見たいのですが」

謙信「駄目だ、減る」


信玄・佐助「「……」」


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