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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第30章 仲直り


謙信様の綺麗な顔が角度を変えて近づいてきて、自然に目を瞑った。

期待で胸を高鳴らせて――何故か唇は降りてこなかった。


「?」


薄眼を開けると謙信様がジッとこちらを見ていた。


謙信「返事をせぬとお前が欲しがっているものはやらんぞ」


少し意地悪を滲ませ謙信様が薄く笑った。


「わわわわわ!?返事はもちろん『はい』です。
 それ以外ないって、謙信様ならおわかりでしょう?」


(やだ!キス待ちの顔を見られてたなんて!)


恥ずかしさのあまり目を逸らし口を尖らせた。

謙信様が笑いをこぼし、もう一度私を上向かせた。


謙信「わかってはいるが、その愛らしい口と声で返事を聞きたかったのだ」


にっと笑んだ顔がとても幸せそうだ。


「んっ……」


柔らかく口づけてきた唇は直ぐに離れ、おでこ、両瞼、こめかみ、両頬、鼻、口元、あご、耳たぶとキスの雨が落とされた。

時々小さくチュッという音がする。

触れてくる口づけの感触は柔らかく、けれど鋭い感覚を呼び起こした。


(キスされた場所が熱い)


一度熱くなった場所は冷める事を知らず、それどころか熱の面積を広げていく。


「ん、謙信さ…ま…」


一生会えないと思っていた人に包まれ、たくさん与えられる口づけに喜びがジワジワと湧き上がってきた。


謙信「愛している。もう二度と離さぬ」


唇が離れ、さっきよりも熱がこもった眼差しで囁かれた。


謙信「この身をもって味わった。俺はお前が居なければ息もできぬほどに、愛している」

「私も、この5年間ずっとあなただけを想っていました。
 愛しています。大好きです、謙信様。
 今度こそあなたと一緒に幸せになりたいです!」


背伸びして謙信様の頬に口づけをした。

不意打ちの口づけに謙信様は驚いて瞬いていたけれど、満面の笑みを浮かべ、何度も私に口づけを落とした。


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