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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第29章 時のイタズラ



(謙信目線)


俺の直感が舞に咎はないといっている

舞、すまない…お前を傷つけた

傷ひとつ負わせたくないというのは身体だけではない
心にさえ負って欲しくなかったのに


俺自身が傷をつけた


この部屋にかかっている着物は…俺のものだろう?

どれも俺の嗜好に合っている

おそらく『さいず』も合っているだろう


冷静になればわかる


戯れで一時交わった男に着物は仕立てない

戯れの相手に贈られた反物で着物を仕立てるわけがない

会話に出てきた兎をわざわざ刺繍するわけがない

戯れだったのなら――ワームホールの確率が100%になるわけがない

話も聞かず手をあげ、罵った
なんと愚かな行いをしたのか

お前との間に底なしの溝を作ってしまったのは俺だ

この溝は埋まるだろうか

身勝手だ愚か者だと罵ってくれてかまわない

言葉が続く限り、お前が許してくれるまで詫びよう

だから頼む

お前の話を聞かせてくれ

真実を知りたい

俺とともに歩んで欲しい

俺の手をもう一度とって

もう一度笑い合って



共に生きる道を―――選んでくれ


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