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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第29章 時のイタズラ


(第三者目線)


佐助「……」


和室に戻った佐助を謙信と信玄が迎えた。


信玄「姫と話せたか?」


謙信は何も言わなかったが佐助を伺うように見ている。


佐助「ええ。娘のゆりさんが今朝の出来事を見て怖がっているそうです。
 子供が寝るまで部屋で過ごしてくださいと言われました」


謙信は唇を噛んで頷いた。


佐助「お子さんが寝た後なら時間がとれるそうです。
 冷静に話し合いましょう」


さっきの様子を見ても舞が怯えているのは明らかだ。

真実を聞くためにはこちらが冷静になり、話を聞く姿勢をみせなくてはいけない。

そのために佐助は『冷静に』と強めに言った。


信玄「そうだな。怖がらせては相手は何も話してくれない。
 わかってるだろう、謙信」

謙信「ああ」


窓ガラスの向こうの日は傾き、橙の空を少しずつ薄闇が覆っていく。

その様を見ながら謙信は返事をした。


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