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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第2章 夜を忍ぶ



苦しそうな顔をしている佐助君の顎に手をやり、整った顔の謙信様が伏し目がちに唇を寄せて…



脳裏に浮かんだワンシーンに、思わず顔が赤らんだ。


(うわぁ~~~!絵になりすぎてドキドキする…って、想像してる場合じゃなかった!)


それこそ、そんなこと謙信様にさせる訳にはいかない。

佐助君の顔をジッと見る。
眼鏡を外した顔はいつもより大人っぽくみえる。

意識したことはなかった薄い唇を見ると、胸が高鳴る。
緊急とはいえ、恋人ではない人と唇を合わせるなんて…


(でも佐助君には何度も助けられたもの。今度は私が助ける番!)


ひと思いにやってしまえ!と言わんばかりに薬、水の順に口にいれる。

佐助君の両頬に手を伸ばし、少し上向きにして固定する。
顔を傾けて唇を合わせた。


(唇が熱い…)


自分の唇が冷たく感じる程に、佐助君のそれはとても熱かった。

浅く合わせただけでは水がこぼれてしまったので、思い切って深く口づけた。

錠剤を舌で押しやった時に、佐助君の舌に触れてしまい、恥ずかしさがこみ上げてくる。

ギュッと目を閉じて薬の後に水を送りこむと、佐助君の喉が動いた。


(飲んでくれた!)


それから水分補給を兼ねて、もう一度水を口に含んで口づける。

二回の口づけを終えて体を離すと、佐助君の唇が水で濡れて光っているのが見えた。

手ぬぐいでそれを拭いてあげて、水をこぼして濡らしてしまった夜着も拭いてあげた。


「はあ…」


終わった…と胸をなでおろしたところで視線を感じた。


(ん?)


謙信様の方を見ると視線が合った。
何にも動じず、いつも冷え切った目が…わずかに揺れているような気がした。


(どうしたんだろう?)



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