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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第25章 3人で…


休んでいた謙信もすぐさま水筒を持ってきた。

血を吐いてなお咳き込みが止まらず、信玄の顔は苦痛に歪んでいる。


佐助「しっかりしてください!信玄様」


信玄の胸からヒューヒューと異音がして、謙信と佐助はもう時がないのだと察した。


謙信「……っ!愚か者。このような名もなき野で息絶えるな。
 俺と真っ向勝負して、負けてから死ねっ」


二色の瞳に近しい者を失う苦痛が浮かぶ。

ようやく咳が止まり、信玄が野にごろりと寝ころんだ。
息苦しそうに胸が大きく上下している。


信玄「俺は……ここまでだ」


口元を血で汚したまま目を閉じる信玄は、そのまま旅立ってしまいそうな儚い姿だった。


佐助「信玄様っ!」

謙信「信玄!起きろっ!」


二人の呼びかけに答え、信玄が薄っすらと目を開けた。


信玄「俺を置いて二人で行け。ワームホールが無事に500年後に届けてくれるとは限らんだろ。
 不測の事態に備えて身軽になっておいたほうがいい」

佐助「身軽って……っ。そんなふうに言わないでください」

信玄「俺が軽いとでもいうのか?いいから二人で行け。
 謙信、姫と必ず再会しろよ。お前には姫が必要だ」

謙信「信玄、貴様とてあいつのことを……


謙信が何か言いかけた時、空がゴロゴロ鳴り突如大きな雷が落ちてきた。
近くの大木に落ちたそれは真っ二つに幹を裂き、燃え上がらせた。




ぽつ………ぽつ……ぽつ………サーー



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